樹肌
落葉樹の場合、冬は落葉によって樹幹が目立つようになります。 葉がなくても樹種を見分けるために、樹皮の割れ目等、幹の様子が 役立ちます。樹種によって特徴があるからです。 幹の横断面をみると、内側の木部と樹皮が区別できます。境界面が形成層とよばれ、内部に材、外側に樹皮を形づくっていきます。樹皮は死んだ細胞であるコルク層からできていて、病害虫の侵入や水分の蒸発を防いでいるのですが、幹の肥大とともに外周が大きくなるため周囲長が足りなくなります。そのため亀裂が入るものも多く、また剥がれおちていくことになります。
このときの細胞接着の強弱分布により樹種ごとに特徴をもった樹肌になるのです。また、樹齢によっても割れ目、剥がれ方が変わります。 新しくできる樹皮は薄いのですが、マツのように年数を経ると厚い樹皮となるものや夏ツバキのように毎年剥がれ落ちているものがあります。絶えず剥離しているものではコケや地衣類が付着できず、また異なる幹肌を呈します。
この樹肌は樹齢が重ねることにより古色蒼然となり、割れ方や剥がれ方などで推定樹齢を測ることが盆栽の世界ではあります。