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​盆栽の樹齢

盆栽の正確な樹齢判断は難しい。

 普通、樹齢は年輪から計測するが、生長している盆栽の幹を輪切りにするわけにもいかない。中心部に至る小さな穴を掘り、得られた資料から年輪を調べることも出来るが、盆栽に穴を開けるのは抵抗がある。今は放射線等を利用して、CTスキャナのような装置を工夫すれば、あるいは年輪を数えることができるかも知れません。

盆栽の3Dデータ化

 そもそも盆栽の中心部まで、しっかり年輪が詰まっているとは限らない。多くの盆栽は鉢の中で緩やかに生長しているので、年輪を全て判別できないし内部が空洞であったり、腐朽しているものもある。炭素14法により、腐朽が始まった年代を調べることもできるかも知れないが、それは樹齢の下限値を定めるに過ぎない。

 

 

​樹肌

落葉樹の場合、冬は落葉によって樹幹が目立つようになります。 葉がなくても樹種を見分けるために、樹皮の割れ目等、幹の様子が 役立ちます。樹種によって特徴があるからです。 幹の横断面をみると、内側の木部と樹皮が区別できます。境界面が形成層とよばれ、内部に材、外側に樹皮を形づくっていきます。樹皮は死んだ細胞であるコルク層からできていて、病害虫の侵入や水分の蒸発を防いでいるのですが、幹の肥大とともに外周が大きくなるため周囲長が足りなくなります。そのため亀裂が入るものも多く、また剥がれおちていくことになります。

 

このときの細胞接着の強弱分布により樹種ごとに特徴をもった樹肌になるのです。また、樹齢によっても割れ目、剥がれ方が変わります。 新しくできる樹皮は薄いのですが、マツのように年数を経ると厚い樹皮となるものや夏ツバキのように毎年剥がれ落ちているものがあります。絶えず剥離しているものではコケや地衣類が付着できず、また異なる幹肌を呈します。 

​この樹肌は樹齢が重ねることにより古色蒼然となり、割れ方や剥がれ方などで推定樹齢を測ることが盆栽の世界ではあります。

樹齢(日本大百科全書収録)

樹木が芽生えてから経過した年数をいう。マツやモミなど、1年に1段ずつ規則正しく枝を伸ばす樹木では、枝やその痕跡(こんせき)による段の数を数えることによって樹齢を知ることができる。しかし、ほとんど伸長成長しない老木や日陰の樹木ではこの方法は適用できない。一方、おもに温帯地方に生育する樹木では、幹の肥大成長によって1年に一つの成長輪、すなわち年輪がつくられる。したがって、この年輪の数を幹の最下部で数えていけば樹齢を知ることができる。しかし、風害や虫害などによって材の形成が攪乱(かくらん)され、偽年輪(1年間に年輪状のものが二つ以上つくられること)ができることもあるので、正確な年輪は木を切り倒して数える必要があるが、直径40センチメートルくらいまでの木なら成長錐(すい)という道具を使って樹幹から円柱形の細い材片を取り出し、年輪を測定することもできる。なお、熱帯地方の樹木は、1年を通じて成長を続けるため年輪ができず、樹齢を知ることは困難となる。また、つる性のフジなどでは形成層が何層もできるため、単純にその年輪を数えると、実際の樹齢よりもきわめて大きい数となる。
 樹齢は、種類によっておおよそは決まっているが、生育環境や生育の度合いによってかなり変化する。低木の樹齢は一般に短く、ハギ、ヤマブキなどは数年であるが、多くのものは十数年から数十年くらいである。高木では陽樹のハンノキ、アカメガシワなどが短く、数十年で枯れるが、多くは数十年から数百年生育し、長いものでは1000年を超える。日本でもっとも樹齢の長いのはスギで、鹿児島県屋久島(やくしま)にある「縄文杉(じょうもんすぎ)」は3000年を超えているといわれる。スギのほかではヒノキ、クスノキ、ケヤキなどが樹齢の長い樹木とされる。世界ではカナリア諸島にあるユリ科のリュウケツジュが樹齢7000年で世界一といわれている。また、北アメリカのカリフォルニア州にあるスギ科のセコイアオスギでは4000年の推定値が出されている。
 天然記念物などに指定されている巨樹では、しばしば樹齢何百年などとうたわれるが、歴史上の文献に記述があるもののほかは根拠のない推定値がほとんどである。樹齢1000年といわれていたスギが台風で倒れたので年輪を数えたところ、三百数十年であったなどの例もある。[鈴木三男]